ある結婚式の受付 |
目が見たことのないもの、耳が聞いたことのないもの、そして、人の心に思い浮かんだことのないもの。神を愛する者のために、神が備えてくださったものは、みなそうである。(1コリント2・9)
「取るものも取り敢えず帰る」とはこのことだ。もはや18切符などを使っている余裕はない。新幹線ならものの二、三時間で故郷に帰れる。しかし在来線は運転見込みがないという情報だった。散々迷った挙句、結局折角購入した18切符で昼ごろ出発した。東京11時37分発熱海行きアクティがその最初の電車であった。こういう場合、いつも優先席を利用することにしている。ところが生憎その席は外人観光客が座っていた。日本人なら気を利かして譲ってくれるのにと思いながら諦め、別の席に座った。その時、列車を待つ間に私の後ろに一人の年配のご婦人がいたことに気づいていたが、彼女は席がなくつり革につかまっていた。ところが何駅か通過する内に外人が降りるのが見えた。
私はすかさず、優先席に移動し、つり革にすがっていたご婦人に私のその席を勧め譲った。ところがしばらくして、そのご婦人ものこのこ優先席にやって来て、私の隣に座った。ちなみにこの優先席は座席が二つ切りである。いつもは家内と旅をするので大抵家内とその優先席を利用している。その席に見知らぬとは言え、先ほど席をお譲りしたばかりのそのご婦人が隣に来られたのである。この優先席は車両の隅にあり余り目立たない場所にあるのでこっそり食事をするのに打ってつけの席である。昼時であり、中々食事を取る時間がない時死角とも言える優先席は格好の席なのだ。彼女がどのような算段をして来たのか、今思い出したが手荷物が多く優先席はそれを置くのに便利なようにつくられているので何となく優先席に移って来られたようだった。
さて、この方と隣り合わせになったのは以上のような次第であるが、そこには主なる神のすぐれたご計画があったのである。その委細は明日に譲る。
0 件のコメント:
コメントを投稿