2019年3月13日水曜日
1969年3月12日(1)
わが子よ。主の懲らしめをないがしろにするな。その叱責をいとうな。父がかわいがる子をしかるように、主は愛する者をしかる。(箴言3・11〜12)
先週の木曜日、一冊の本の所在を求めて、半世紀前に勤務していた高校図書館に電話した。旧職員からの電話とは言え、高校側から言えば大変な迷惑な話だと思った。電話口に出てくださった方は事務の方だと思うが、「今日は入試なんです」と仰った。重ね重ね失礼をお詫びし、再度掛け直すことにした。
なにゆえ、こうして電話をかける気になったのか、自分でも不思議だったが、瞬く間に50年前のことを思い出した。そう言えば、あの日も入試の前日だった。その日は季節外れとも言うべき雪が朝から激しく降る日だった。その日(3月12日)の日記が次のように語る。
眠れないで眠れないで、朝起きたら外はいつの間にか深々と雪に覆われていてしんしんとしていてまるで昨日とは別世界のようだ。ラジオを聴いていると名古屋は雨が降っていて空は真っ暗でまるでこの世の終わりみたいだと話している。(朝のスカイパトロールというTBS独特の放送)雪が顔面に降り続ける中を、40分ばかりかかって登校した。学校の近くの山道から降りてくる幼稚園のマイクロバスともろに衝突した。瞬間、頭がくらっとしたが、幸い怪我はなかった。全く奇跡としか言いようがない。まだ心臓が痛むが、怖さで・・・昨日、一昨日とハンドボールの練習をしていた効果が意外なところにあらわれた感じだ。全くうまく田んぼの中へ倒れこむことができたからだ・・・
今日はA氏と二人で入試問題の保管安寧のため宿直だ。未明から降り始めた雪はとどまるところを知らずに、ついに交通はストップし明日に予定されていた高校入試も一日順延されることになった。朝の衝突でやはり頭の芯がけだるく痛いが、ハンドの練習の疲れのせいもあると思うから一日今日ぐっすり寝て様子をみることにする。
しかし、この出来事は私にとって人生の一大転機となった。そのことは改めて記すことにして、高校図書館に所在を求めた本について記す。その本の所在が気になったのは、最近旧約聖書のエステル記の関連で、DVDで『プリンセス オブ ペルシヤ』を視聴し、ペルシヤ帝国の実態を映像で知り、かつて50年ほど前この図書館にあった本がどうしても見たくなったのだ。問題は書名、著者名など一切思い出せない体たらくだった。ところが、司書の方と電話でお話しているうちに、それまで何としても思い出せなかった著者名が鮮やかによみがえってきた。
その本は、並河萬里さんの『ダリウスの遺産ーペルシア・メソポタミア文明』であった。しかも1970年刊行であった。昨日司書の方からごていねいに電話があり、「その本ありました」ということだった。私は私で、とても勤務校には遠方で赴けないので、昨日吉祥寺からの帰り道、千代田図書館に出向き、その本を半世紀ぶりに手に取ってみた。帯出は可能なのだが、何しろ大型書籍なのでやめた。三笠宮が巻頭文を書いておられ、懐かしくその文章を読んで帰ってきた。
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