2019年12月12日木曜日

本の中の本

客間に 御子の御姿 赤子なり 2019.12.10

私は、あなたのことばを心にたくわえました。(詩篇119:11)

 世界じゅうで最も偉大な宝は何かと言えば、それは聖書です。聖書は本の中で最も古い本ではありますが、また現代のわたしたちすべての人間の心や生活に最もふさわしい本ですから、ごく最近の本であるとも言えます。この本ほど世界の人々の思想を左右し、人類に大きな影響を与えた本は、ほかにありません。

 神は、聖書は神ご自身のものであり、霊感によってわたしたち人間に与えられたものであるとおっしゃっています。すなわち、霊感ということばによって、神はご自分が直接に息を吹き込む特別な方法で、聖書を人類にお与えになったのであるということを、お告げになろうとしているのです。この霊感を受けうるのはある特定の人々、すなわち、旧約の預言者と、新約の使徒たちに限られていました。これらの著者たちが、聖霊によって霊感を受けて書いたのが、聖書なのです。

 「預言は決して人間の意志によってもたらされたのではなく、聖霊に動かされた人たちが、神からのことばを語ったのだからです。」(2ペテロ1:21)ダビデも「主の霊は、私を通して語り、そのことばは、私の舌の上にある。」(2サムエル23:2)と言っております。

 この聖書はすべて一字一句に至るまで、神ご自身のものであると、神はおっしゃっています。したがって聖書の著者は、自分の考えを全然その中にさしはさんでおりませんし、聖書を記述したにもかかわらず、自分が聖書を書いたのだと誇るようなこともしていません。聖書は神のみことばを含む本なのではなく、神のみことばそのものなのです。

 神はまた、宗教に関することで、これ以上権威のある本はないとおっしゃっています。神はすべてのことを、みことばを通して啓示なさいました。それゆえ聖書は完全なものなのです。これよりもっと新しい啓示があるかもしれないなどと思うべきではありません。わたしたちが知る必要のあることは、すべてこの聖書に書いてあるのです。

 神のみことばは、決定的なものです。したがって聖書にのべられていることは、すべて不変で、絶対的に正しいことです。神は聖書に書かれてある以上には、おっしゃることはないのです。つまり、聖書は権威をもって教義や道徳のあらゆる問題を教えているわけです。この聖書はあなたの本です。ーー「私は、あなたのことばを心にたくわえました。」(詩篇119:11)ーーこの宝典に書かれてあることが、あなたの家庭にも、生活にも、心にも宿らなければなりません。聖書は試金石として役に立つのです。聖書によって何がまことで、何がまことでないか。何をしなければならないか、何をしてはならないか。また何を信じればよいかがわかるようになります。

 聖書はあなたの導きてになります。命にいたる細い道に導き、罪のおとし穴に落ち込まないように、あなたを守ります。

 それは足もとを照らすともしびであり、航路を示す灯台の光であり、あなたが失望や失敗にあったとき、あなたを元気づけてくれるのです。

 聖書はまた、よい道づれとして、あなたの役に立ちます。聖書は、主があなたのよい羊飼いであり、イエスがあなたの救い主であるという確信を与え、悲しみにあるあなたをよい友として慰め、あなたの涙をかわかし、あなたを希望で満たします。聖書はあなたが人生のいかなる状態にある時でも、それに適切なことばを持っております。

 それだからこそ聖書は、すべての時代を通じての宝典なのであり、神のみがわたしたちにこれをお与えになることができたのです。どうかこの聖書を常に身近におき、たいせつにしてください。そして聖書を読み、信じ、愛してください。あなたに対する神のみことばとして、聖書に強くたよってください。

  祈り

 いつくしみ深い父、主なる神よ。聖書によってご自分をわたしにあらわし、完全な救いをもたらすこの輝かしい福音によって、救いに至る知恵をわたしにお与えくださいましたことを感謝いたします。神のみことばである聖書を愛し、日々これを読むことにより、力と、慰めと、助けとが得られますように。わたしにとって必要なこの一つのもの、すなわち聖書にまさって親しみを感じるものが、この世に何もありませんように。神の霊感によるみことばの真実性を疑ったりすることなく、神のみことばの一言一句を、幼子のような信仰によって信じることができるようお導きください。

 このみことばが、地の果てまで達し、わたしの心に平安と希望をもたらしましたように、万人の心にも平安をお与えください。すべての罪をゆるし、神の救いの恵みの中に、わたしや、わたしの身内の者すべてを保ってください。神のみことばを学ぶことが、わたしたちの日々の喜びとなりますように。天から与えられた、生きたみことばである、わが主キリスト・イエスのみ名によって、心からお祈りいたします。     アーメン。

(『重荷も軽く』A・ドーフラー著1〜4頁より引用。)

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