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草むらの ムラサキツメクサ 優雅に |
その本とは『雪夢往来』(木内昇著新潮社)である。2月初めにこの本のことが東京新聞に出ていた。早速図書館にリクエスト。ところがすでに私の前に六人ほどのリクエスト者がいて、私のところには当分回って来ないことがわかった。私だけでなく、「木内昇」ファンがいるのだと改めて思わされた。それから4月下旬になってやっと私の番が回ってきた。待望の本だが、今や興味は薄れていたので、すぐ読まずに放置してしまった。
2月当時北陸・東北・北海道など大変な豪雪だった。その時、私は『北越雪譜』を思わずにいられなかった(https://straysheep-vine-branches.blogspot.com/search?q=%E5%8C%97%E8%B6%8A%E9%9B%AA%E8%AD%9C )。そのような折、東京新聞の「推し時代小説」の案内文に接した。私の好きな作家である木内昇さんが、『北越雪譜』の著者である鈴木牧之(すずき・ぼくし)について書いているということだった。だから是非読みたかった。
ところが、その冬も過ぎ、春の陽気とともに、いつの間にか興味が薄れてしまっていた。だから二週間の貸与期間も、他の私自身が3/16以来日夜取り組んでいる本(『聖パウロの生涯とその書翰』デーヴィッド・スミス著日高善一訳)の存在があり、打っちゃっておいた。ところが返済期限が間近に迫るにつれ、読まずに返すのも癪だという思いが沸々と湧いてきた。最後4日間がちょうどゴールデンウィークとぶつかったという訳だ。
しかも『雪夢往来』というこの本は結局、二度読みする羽目に陥った。人々が物価高の今日、様々な工夫をしながら、ゴールデン・ウィークを外に出かけて行く姿をTVを通して横目で見ながら、木内昇さんの筆にしたがってほぼ200年ほど前の鈴木牧之(1770〜1842)の越後での生き様を辿ることになった。あとで気づいたのだが、ほぼ一年前も木内昇さんの『かたばみ』という小説を読んでいた(https://straysheep-vine-branches.blogspot.com/2024/06/blog-post_14.html)。
伝道者は知恵ある者であったが、そのうえ、知識を民に教えた。彼は思索し、探究し、多くの箴言をまとめた。伝道者は適切なことばを見いだそうとし、真理のことばを正しく書き残した。(旧約聖書 伝道者の書12章9〜10節)
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