2015年4月26日日曜日

束の間の四半世紀(2)

ロゴハウス ここは鶯 貴人の 常宿

 先週に引き続き、再び今日は常磐線の客となった。先週と違うのは、行き先が牛久であり、その上、妻が同行したことだ。四半世紀のうちで初めてのことだと言ってもいい。大学の先輩が主催される霞ヶ浦に位置する進化経営学院、およびモラ美術館を午後に一緒に訪問する計画を持っていたからである。

 ひとり旅と違って二人となって私は途端に妻まかせになった。そのため、出発駅からしてドジをしてやらかした。9時18分柏駅発に乗り損ねそうになったことだ。ホームに滑り込む列車が乗りこむべき列車とは気づかず、待合室で悠然と構えていたからだ。次に、乗ったは乗ったで、今度は降車駅牛久に気づかず、そのまま乗り過ごしそうになった。これはこれでまた慌てて飛び降りざるを得なかった。普段なら相方に責任をなすりつけてしまう私だが、今日はおとなしい。それもそのはず、今日4月26日は45回目の結婚記念日だった。私たちの結婚そのものを象徴する朝の椿事であった。あの日のことはまた稿を改めて書くことにしよう。

 日曜日であるので、まずは先週と同じように牛久での礼拝を持った。事前に今日の出席は男性は私一人だけらしいと言う情報を得ていた。一人だと大変なのは大変だが、もともとやせ我慢を張る私はそのことはそれほど気にしてはいなかった。ところが、会場に着いたら、何とK夫妻が小金井からお見えになっていた。頼もしい援軍の出現だった。結局、先週と同じく男性2名、女性5名の総勢7名の礼拝となった。もっと言うなら、地元の方3名、外人部隊の4名というこじんまりした構成であった。

 礼拝は男性二人がそれぞれ示された聖書の個所を朗読し、お祈りする。賛美曲はこれまた二人が自由にリクエストする。その曲を女性も交えて全員で賛美する。その中で主イエス様による十字架の贖いを記念して、パン裂きをする。この間4、50分である。終って5分ほど休憩して福音集会を持つ。司会はKさんにお頼みする。Kさんは最近タイ・サムイ島でのご子息の結婚式の様子をお話し下さった。英語、中国語、日本語の飛び交う中ですべて主イエス様の完全な導きをいただいたという喜びの証だった。

 お聞きするうちに、私の聖書メッセージは今日はやめにしてそのまま話し続けていただきたい思いに駆られそうになった。しかし、踏みとどまることができた。折角、そのために牛久まで来ているし、信仰は聖書のみことばに裏打ちされなければ好い加減になり、動揺極まりないものになることを日頃自分で経験しているからだ。でもKさんのお話は私たちの心を十分和ませて、新しく結婚なさったご子息夫妻のために祈ろうという思いを出席者全員に与えたにちがいない。

 福音集会のメッセージの題は『神の知恵か、人の知恵か』で、1コリント1・25を引用聖句とさせていただいた。

神の愚かさは人よりも賢く、神の弱さは人よりも強いからです。

  神様は賢く、強いお方だが、人間の愚かさ、弱さに照準を合わせられた。そんな神様の愛が人には愚かにも弱さにも見える、それが十字架のイエス様の愛である。そんなことを語らせていただいているうちに、遠い昔、Kさんと軽井沢で二泊三日、同じ部屋で寝泊まりしたことを端無くも思い出していた。

 Kさんとお会いしたのは24年前のその時が初めてであったように記憶する。Kさんは隣の蒲団の中で苦吟されていた。それは何とかイエス様を信じたいが、それが自らの知恵ではできない、その焦りだったように思う。その何年か前、私自身がそうであったから、人一倍そのことがわかった。そして人の知恵で見つけられぬ神様をイエス様をとおして得られる御霊の導きによって今は二人とも知るようになった幸いを語り、話を閉じた。

 あれから24年目、こうして二人で少ない集まりも何のものかわ、互いにキリストのからだである「教会」を覚えて、少年のごとく妻とともに喜んで連なっていることも何と不思議なことだろう。(また、報告の場では、少ない地元の方のお一人がこの前大洗で洗礼を受けられたことを話された。これまた何たる感謝なことであろうか。)時空、人を超えた大変な主の御導きであると言わざるを得ない。考えてみると、K夫妻とはそんなに会うわけではない。特にご主人と席を同じくして話を交わすのは近年においてはそれほどなかったように記憶する。
 
 その上、なぜか二三日前、今回ご訪問する先輩との関係で明らかになった彦根の様子をさらに詳しく知りたいため、今はアメリカにいるがお母さんが彦根にいるK夫妻のお婿さんにメールしていた。そのお婿さんからのお返事の中で、義弟の結婚式に出席した様子が書かれていた。まさか日ならずして、こうしてご両親からじかにその話をお聞きできるとは、これまた何という主のご配慮であろうか。

 しかし話はそれで終わりではなかった。
 
  その後、その会場をあとにし、いよいよ私たち夫婦は楽しみにしていた霞ヶ浦行きを決行しようとしていた。交通手段は電車を利用し、先輩が高浜駅に迎えに来てくださることになっていた。ためしに地元の方であるからもしやご存知ないかと思い、すでにいただいていたご本等を参考に説明していた。その話をKさんご夫妻も傍で聞いておられた。ところが、ご主人がその本を手にするやいなや大変な興味・関心を示された。そして一緒に行ってもいい、いや行きましょう、と話は忽ちのうちに一挙にまとまったのだ。こうしてKさんご夫妻の車に乗せていただいてのご訪問となった。そこには想像を超えた交わりが待っていた。

1 件のコメント:

  1. 懐かしいあの日を思い出しました。ありがとうございます。

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