今日は家内の誕生日でした。五人の子どもを産み、育ててきた苦労にはいつも頭が下がります。子どもたちは私以上にその労苦に感謝しています。先日も次女が誕生ケーキを買って祝ってくれましたし、今日は今日で次男がパリから帰国中のこともあり、やはり誕生ケーキで祝ってくれました。私はそのお相伴にあずかるばかりで、何もしませんでしたが、唯一試みたのは厨房に入ったことだけでした。結婚して54年が経ちますが、ここ2、3年にして漸く厨房に入るようになりました。ならざるを得なくなりました。
言わずと知れた高齢化のためです。毎日、家内と一緒に献立を考え、買い物をし、厨房に立つことを心がげています。しかし、いまだに後始末だけは家内に任せることが多いです。そんな日々ですが、今日は長野の友人から「リンゴ」がどっさり送って来ました。健康なときの家内ならすぐ飛びついてジャム作りに取り掛かるところですが、今日は最初そうではありませんでした。全く無関心なのです。ジャムと言えば家内の専売特許だと相場が決まっていた時期が数年前までは10数年以上続いていたのが今では嘘のようです。それではあまりにも寂しすぎるので、家内を促してジャム作りに私も共に取り掛かるようにしました。
始めてみれば、水を得た魚の如く、家内の所作もいつも通り元気をとりもどしたようでした。そのうちに、私にも手伝えるところがあることに気づきました。リンゴを包丁さばきよろしく細かく切り刻む作業です。振り返ってみれば極めて単純な作業ですが、一緒に一つのものを作り上げる喜びは格別ですね。思わず数を数えるのを忘れてしまったのですが、数十個あったリンゴも二時間ほどの間にすっかりジャムに変わってしまいました。
五人の子どもたちの感謝の言葉に答えて、家内は「最近ボケてばっかりでねぇ、お父さんを困らせて、申し訳ないんだけど仕方ないよねー。まあこれからどうか毎日無事で守られますようにとお願いするばかりです。お祈りしてくださいね、よろしくね。」と書きましたが、「仕方ない、仕方ない。これからもよろしくね。」とやさしい言葉を三男からいただきました。最後に次男が「(自分の送った誕生ケーキの素晴らしさより)お母さんのジャム、またリンゴがおいしかったよ、みんなとりに来てください」と書きました。
涙とともに種を蒔く者は、喜び叫びながら刈り取ろう。種入れをかかえ、泣きながら出て行く者は、束をかかえ、喜び叫びながら帰って来る。(旧約聖書 詩篇126篇5〜6節)
お連合いさまのお誕生日、おめでとうございます。台所でのお二人の様子を想像して、心がほっこりしました。読者としては、こんな投稿が嬉しいです。(長い御言葉の文は、それだけでパスしてしまいます。)
返信削除これからもお二人で仲良く、心豊かに過ごせていけたらいいですね。
いつも心温まるコメントをいただきありがとうございます。
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