2013年10月29日火曜日

「宗教」と「啓示」(4)

朝ぼらけ 秋明菊 輝けり
第二に、神は御子イエス・キリストを通してご自身を「啓示」して下さいました。私たちが自然界を通して知ることのできる神は、「全知全能なる神」、「裁き主としての神」であり、この神の前に私たちは畏れおののかなければなりません。しかし、一方で、神は、私たちの罪の問題を解決して恵みを与えて下さる方であり、主イエスの贖(あがな)いのゆえに、私たちの状態をのろいから祝福に変えて下さる方であり、私たちの霊の父となって下さる方です。ですから神がご自身を御子イエス・キリストのうちに「啓示」して下さることがどうしても必要なのです。

神は、むかし先祖たちに、預言者たちを通して、多くの部分に分け、また、いろいろな方法で語られましたが、この終わりの時には、御子によって、私たちに語られました。神は、御子を万物の相続者とし、また御子によって世界を造られました。御子は神の栄光の輝き、また神の本質の完全な現われであり、その力あるみことばによって万物を保っておられます。また、罪のきよめを成し遂げて、すぐれて高い所の大能者の右の座に着かれました。(ヘブル1・1〜3)

自然界は神の造られた作品ですが、御子イエス・キリストは、「神の本質の完全な現われ」です。これこそ、上から与えられた神の偉大なる啓示です。主イエスについて知ることによって、私たちは神を知ることができるのです。これこそ、神の側から私たち人間に与えられた「上から下へ」の道であります。主イエスは「ヨハネによる福音書」の中で、次のように語っています。

あなたがたが来たのは下からであり、わたしが来たのは上からです。(ヨハネ8・23)

神の本質がどういうものであるかということを、私たちは主イエスを通して知ることができます。

いまだかつて神を見た者はいない。父のふところにおられるひとり子の神が、神を説き明かされたのである。(ヨハネ1・18)

御子イエスは神ご自身の完全な現われです。私たちはイエスを通して、主イエス・キリストの父なる神、愛と正義の神、生けるまことの神、また聖なる神を知ることができます。これは主イエスを救い主として受け入れた者だけに与えられる特権です。神の愛をとらえるのは、人間の理性ではなく、感情でもなく、霊です。この霊によって私たちは、御子イエス・キリストを通して現わされた神の愛を知ることができるのです。イエス・キリストを通して、主なる神は、私たちひとりひとりに、個人的にご自身を現わしたいと願っておられるのです。

神はこのように御子イエスを通してご自身を「啓示」しておられるのですから、人間にはこのイエスを受け入れるか拒むかという決断をする責任があります。イエスを受け入れる者は、新しい生まれ変わりを体験します。聖霊によって、その人には、新しい人生の目的と価値観が与えられます。またこの聖霊は、日々救いを受け入れた者と共にあって、真理に導いて下さいます。ところがイエスを拒む者は神の愛をも救いをも拒むことになり、その結果、自ら滅びの責任をとらなければならなくなります。私たちは、御子イエスを通して、贖いを成就して下さる方としての神をはっきりと認めることができるのです。

それでは、一体どうしたら私たちは主イエスを知ることができるのでしょうか。これはみことばを通してです。私たちはみことばを通して主イエスをはっきりと 知ることができます。これが第三の「啓示」です。主イエスはこの地上におられたときは人間の目に見えるかたちでご自身を現わしてくださいましたが、今日では、聖書を通してご自身が全人類の贖い主であることを明らかに示して下さっています。聖書は、聖霊によって記された神のみことばであり、私たちはこの聖書によって、主なる神のみこころを知ることができ、贖いの意味について知ることができ、万物の存在の目的について知ることができるのです。神が人間に望んでおられることはみことばを通して人間が神のみこころを明らかに知ることができ、自分のわがままな意志に従って生きる生き方を捨てて、神のみこころに従って生きるようになることです。神のみことばを拒む者は、神とのあらゆる交わりを閉ざしてしまうことになります。

(「実を結ぶいのち」143〜146頁より引用。「御子は神の本質の完全な現われである」とは上述のみことばが示すイエス・キリストである。古今東西様々の画家がイエス・キリストを何とか描きたいと作品にするが、どんな画家の力作をもってもあらわしえないのではないだろうか。映画『ベン・ハー』が成功しているのはイエス・キリストを俳優をもって表現しなかったところにある。しかし、私たちが素直に聖書の表現するイエス・キリストを受け入れ、信頼するとき、私たちの霊はイエス・キリストを体験できる。神のことばである聖書の「啓示」に心をしたがわせる時にまことの自由を人は体験できる。)

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