仰げよ 賓客いずこ 朝日射す |
新年が始まった。こんなに快晴続きの正月も珍しいのではないか。もっとも私の思い違いかもしれないが・・・。新年早々、家族全員が集まることは不可能になった。コロナ禍のせいもあるが、それだけでない、各人の生活スタイルの違いがあり、全員揃えないのだ。もし揃えば孫をふくめて19人になるはずだが、今年は元旦に三人、二日に十五人と分散した。その上パリ在住の次男夫妻はここ数年参加していない。おまけにパリでは二日から仕事が始まっているそうだ。
2023年は私は80歳、妻も78歳になる。互いに弱さを覚え、「老境」ということばが身近に感じられる。そうかと思うと、93歳になるいとこは元気に達筆の手書きの賀状をくださったし、87歳のご婦人は大晦日にわざわざお電話くださり、弾む声が電話線を通して聞こえてき、どちらが若いのかわからない始末だった。
そんな時も時、東南の角地にある、温室のような客間や和室に比べれば、台所は西北の寒い場所に位置するのだが、その台所に東から指す日光が鮮やかに一隅の額に射しこんでいるのに気づいた。暗くなりがちな私を指し示す文字群であった。この額は家を新築したときに友人ご夫妻から記念にいただいたものだ。30年ほど昔のことだ。そのこともすっかり忘れている。
光はやみの中に輝いている。やみはこれに打ち勝たなかった。
(新約聖書 ヨハネの福音書1章5節)
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