2023年2月27日月曜日

さあ、立って、出ておいで

山茱萸(さんしゅゆ) 蒼空仰ぐ 古木なり 
 東南の角地の我が家の中でも、もっともいい場所に植っている山茱萸。如月の到来とともに必ず花を咲かせてくれる。しかし、近年、その花の咲き具合が目立って少なくなって来ているように思う。そんな山茱萸を眺めていると老斬(ろうざん)の我が身をひたすら思わざるを得ない。

 それにしても関東の冬の空はどうしてこうも青いのだろう。どんよりとした冬空のもとで育った私たちは事あるごとにそう言っては互いに喜び合っている。光が満ちている世界は文句なしに私たちの心を豊かにしてくれる。山茱萸も老いたりとは言えどもそうして黄色い花を懸命に咲かせてくれているのだろうか。

ほら、冬は過ぎ去り、大雨も通り過ぎて行った。地には花が咲き乱れ、歌の季節がやって来た。山鳩の声が、私たちの国に聞こえる。いちじくの木は実をならせ、ぶどうの木は、花をつけてかおりを放つ。わが愛する者、美しいひとよ。さあ、立って、出ておいで。(旧約聖書 雅歌2章11節〜13節)

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