2012年6月10日日曜日

聖霊はどのようなお方か


 6月8日のブログ引用記事「とりなしの祈りの確信とその根拠 (下)」の中で、マイヤー博士の聖霊との関わりについて、ポーロ・S・リース氏の引用文を紹介し、同時に私自身が過去に読んだオズワルド・チェンバーズの同じような聖霊体験について言及した。

 しかし、この記事は少なからず誤解を生じやすい内容だと思っており、何とかそのことをキチンと述べる文献はないかと捜していて二三の適当な文献を読むことができた。今後少しずつそのような視点で二三の文献を紹介して行く。なお表題は引用者が勝手に以下の引用文の要旨をまとめる意味でつけた題であることをご了承願いたい。(引用文献の題名は「聖霊を信ず」フレデリック・ヴィスロフ著名尾耕作訳聖文舎発行6〜8頁)

(では、)わたしは、神を理解しうるのでしょうか。「わたしは年をとればとるほど、神は理解しがたいかたであることを、神に感謝するようになった」(ハレスピー)。

 人間の思想が理解しうる神は、その思想の産物であります。人間が神を理解しうるということによって、人間自ら、たぶん無意識に、小さな神を作るのであります。しかしまことの神は、超越者であり、永遠であり、絶対者であります。わたしは作られたものであり、有限で、はかないものであります。わたしの意識が理解しえないところに、多くのものがあります。わたしが理解しうる状態と異なった状態にある、完全で永遠なる存在があります。その世界で最も簡単なことが、わたしにとっては理解しえない驚異であります。それゆえ、この永遠の世界においてすら最大の驚異である神を、どうしてわたしが理解しうると期待できましょうか。

 永遠の世界において、神が実際にありたもうそのありのままの神ご自身と、顔と顔をあわせて相まみえる時、最も勇敢な人でさえ次のことを認めるでありましょう。この地上の生活において、わたしはいつも、神を理解しようとして、あまりにも小さな基準を用いていた、いったいどんな基準で、永遠を測りうるであろうか、と。
 
 燃えるしばにおいて、モーセは神の名が、「わたしは、『わたしはある。』という者である」との事実を知りました。

 だれも神を名づけた者はありません。だれも神の性格を規定したものはありません。だれも神の限りない心底を測ったものはありません。または神の永遠の知恵を究明したものはありません。彼は、彼がありたもうところのもの、不変で永遠なるおかた、神であります。

 モーセは、神の名を、より簡潔な、より強力な、より不可解で神聖な「わたしはある」との形で聞くことをゆるされました。

 しかしこの永遠の神が、キリストに啓示されているのです。「いまだかつて神を見た者はいない。父のふところにおられるひとり子の神が、神を説き明かされたのである」(ヨハネ1:18)。またキリストが父をあらわしておられるように、聖霊が子に栄光をあらわしておられます。イエスご自身が聖霊について、「御霊はわたしの栄光を現わします」と言っておられます(ヨハネ16:14)。

 それで、この三位一体の神は、わたしたちと縁遠い、不活動の神ではなく、わたしたちのこの世界にあって、生ける、現在する神であります。何と驚嘆すべき永遠の神の活動ではないでしょうか。神は、その祝福された天に、御自らを閉じ込めることを欲したまわず、自ら彼の御子の中に、人間との交わりを望んでおられるのです。聖霊は、キリストの中に啓示された神の栄光を人間に見せるために、そのとざされた目をあけるのに忙しく、地上において活動しておられるのです。

 わたしたちは、この神聖な謎を、わたしたちの理性によって理解しようと試みてはなりません。(略)ただ信仰により、聖霊の御導きに従うことにしましょう。そうすれば見ることができます。神がヨハネ福音書1:14と16節との意味を、わたしたちに経験させてくださることを祈るものであります。「私たちはこの方の栄光を見た。私たちはみな、この方の満ち満ちた豊かさの中から、恵みの上にさらに恵みを受けたのである」

 神を見ることのできない多くの人々がいます。それは、その人たちがあまりにも大きく、神があまりにも小さいからであります。神の栄光は地に照りかがやき、ちりの中の人間にさえ、ゆきわたっているのでありますが、しかし、それは神が、そのまま神であられる場合のみ、つまり神が「わたしはある」とのご自身の名と一致する場合だけ、そしてまた人間が、全能者の前に、小さな有限的被造物である場合のみであります。

 ただのちりの中の謙そんな場所からだけ、人間は、永遠者であり絶対者であるかたを見ることができます。こうして見るとき、全能者は父として啓示され、卑しきちりは創造の最高の場所とあがめられ、父の膝の上の子供となるのであります。これが聖霊の働きであります。

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