2022年10月25日火曜日

神の国に入らずば意味なし

イエスは、彼が賢い返事をしたのを見て、言われた。「あなたは神の国から遠くない。」(マルコ12・34)

 神の国に遠からずとも、神の国に入らねばダメである。この学者は自分を誤認していたらしい。自分はこれだけよく真理を解しているからもちろん神の国のものであると思っていたらしい。頭で神を知り、神の国の真理を知ることを以って、自分がこれを所有しているかの如く誤認することは昔の人にも今の私たちにもありがちなことである。

 特に講壇に立つ人、人を教える位置に立つ者の陥りやすい過ちである。否、講壇に立つ人のみではない。講壇から真理を聞き過ぎている私たちも大いに注意せねばならない。多くを知っている故に多くを所有している如くに誤信することは恐るべきことである。

 知ったのみでは『遠くない』にとどまって、それ以上の進歩がない。知ってこれを信じ、信じてこれを行なうに至って初めて本当に自分の所有となる。学校教育が度々実際の役に立たぬとの非難を受けるのと同じく、信仰教育も会堂以外で役に立たぬようでは価値が無い。

祈祷
神よ、私に信仰の勇気をお与え下さい。私に信仰の冒険をお与え下さい。私に信仰の飛躍をお与え下さい。あなたの国に遠くないところにとどまることなく、跳躍してあなたの懐に飛び込むことを得させて下さい。アーメン

(以上の文章は『一日一文マルコ伝霊解』青木澄十郎著298頁より参考引用し、題名は引用者が便宜的につけた。)   

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