2023年4月5日水曜日

春の海ひねもすのたりのたりかな(蕪村)

桜散り 鯉さかのぼる 長閑(のどけ)さよ
 古利根川堤の桜もとうとう散っていく時を迎えた。川沿いの道だけでなく、川岸にも、花びらが一面散りばめられ、小さな貝殻が無数にあらわれたかのように見える。もちろん川面にも点々と花びらを落としている。目を凝(こ)らせば、川には鯉がそれぞれ遡行しているのが見える。時には勢いよく跳ね上がる鯉も散見できる。「おーい、鯉よ、水のなかはどうだい?」と声をかけたくなる。

 川を泳ぐ魚は鯉だけではない、「くちぼそ」もいる(らしい)。桜見に集ってくる人々の会話からその声が聞こえて来た。そう言えば、白鷺は、魚を追いかけまわし、見事に掬い上げている。獲物はくちぼそだろう。水面下の世界はそれはそれで豊かな「生」の宝庫なのだ。

 昨日も夢を見た。夢を見ない日はない。ハッとすることが多い。夢とは何なのだろう。深層心理を、ふと水面下の魚の動きに擬して考えていたら、次のみことばがあることを知った。

人々が熟睡するとき、または床にまどろむとき、夢あるいは夜の幻のうちで、彼は人々の耳を開き、警告をもって彼らを恐れさせ、こうして人にその悪しきわざを離れさせ、高ぶりを人から除き、その魂を守って、墓に至らせず、その命を守って、つるぎに滅びないようにされる。(旧約聖書 ヨブ記33章15節〜18節 口語訳)

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