2010年3月29日月曜日

春場所終わる


 中々天気が良くならない。しかし、木々や草花はそれぞれ健気にこの寒天下で装いも新たに生きている。今朝も、写真の「あせび」に小鳥が二羽、三羽と餌をついばみにやってきた。庭の草木が静かにしている中で、あせびだけが揺らいでいる。風でもなく、何なのかと窓越しに目を見やると、小さなメジロが見えた。綱渡りよろしく、小さな小枝に乗りながらせっせと花に顔を突っ込んでは食探しに余念がない。

あせびには 馬酔わす木と 当てるのに メジロ二三羽 お構いなしよ

メジロ色 あせびの中で 動きたり

 昨日の千秋楽、久しぶりに大相撲を観戦した。ひいきの魁皇は何とか勝ち越しで千秋楽を迎えた。でもこの日、目の前で腰が折れるように崩れて心配した。年端は37歳でわが息子と歳は変わらないのに、それ以上に見えるのは不思議な力士の世界だ。朝青龍が引退して、一時どうなるかと危ぶまれた大相撲だが、救世主のごとく「バルト」が現れた。まだ漢字変換では「バルト」が漢字で出てこない、そんな御仁だ。あわよくば優勝を狙いかねない勝ちっぷりだった。

 優勝力士のインタビューでは白鵬がしきりに「疲れた」と連発していた。その中で面白いやり取りがあった。

アナウンサー 「今場所は負けないつもりで土俵に上がったのですか」
白鵬      「勝つつもりで上がりました」
アナウンサー 「勝つことだけを考えていたのですね」
白鵬      「いや、勝たないことを考えていました」
アナウンサー 「勝たないことですか?」
白鵬      「深い意味でね・・・」

 正確でないが、大方こんなやり取りが合ったような気がする。解説をしていた北の富士も15戦全勝した白鵬に敬意を表したか、いささか感心した様子で、「深い意味があるんですね」と珍しく辛口批評を控えて、後輩の活躍に期待感を示した。向こう正面の舞の海も朝青龍なきあとの大相撲の復興振りに安堵したのか、語り口がさわやかであった。

 あせびの木 春場所とて メジロ乗せ ゆらりゆらりと 15日経ちたり

 ちなみにこの写真は三月中旬のものだ。早く本格的な春が来て欲しい。

天の下では、何事にも定まった時期があり、すべての営みには時がある。生まれるのに時があり、死ぬのに時がある。植えるのに時があり、植えた物を引き抜くのに時がある。(旧約聖書 伝道3・1~2)

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