2013年6月9日日曜日

2 The seed of greater things(2)

パリバガテル公園 by Nobuo.Y   2012.6.17
チェンバーズの死の知らせはサンダーランドのデーヴィッド・ランベルト牧師には11月17日、日曜日に届いた。「オズワルド・チェンバーズ師がエジプトで死亡したという驚くべき知らせを受け取った」と彼はフランスにいる息子に書き送った手紙を日記に記した。「しかし、私は受け入れることができない。私のこれまで出会った人の中で、私にこれほど大きな影響をもたらした人は誰もいない。私は彼を自分のように愛した。私にとってわが子どもノーミーが1908年に亡くなって以来、これほど大きな打撃を受けたことはなかった。この打撃は希望のない悲しみでも、また怒りでもない。全く心を震撼させることがらである。」

ちょうど9年以上前、ランベルトと妻であるエマは末息子を亡くしてまもなくチェンバーズと出会った。彼らはノーマンを週末の休日に埋葬したのだった。その時、輝いた太陽や、しあわせな人々はまるで夫妻の悲しみをあざわらっているかのように見えた。一月後、チェンバーズが祈祷連盟の大会にサンダーランドに来た時、悲しみにあふれていたこの若い夫婦は神様からのことばと心からのいやしを切に求めていた。

さしたる興味のないまま、ランベルトは午後の大会の一つの集いをちょっと覗いてみたのだが、たちまち「若いスコットランド訛りの宣教師の精力的な物腰と力強いメッセージに魅了された」オズワルドの主題は新生(復活)であり、「当時の宗教の多くが人工的であり、人造の働きであったことに一撃の閃光を加えたかのように感じた」

チェンバーズは夫妻の客として迎えられ、子どもたちの大好きな友だちとなり、長く続くことになる霊的な励ましの泉そのものとなった。

ランベルトは息子への手紙を認めるのに一呼吸おいて、机の引き出しから黄いばんだ封筒を取り出した。その封筒から一通の大急ぎで書かれてはいるが簡潔に記された手紙を引き出してきた。その手紙は1909年にオズワルドから受け取ったものだった。

       親愛なる兄弟ランベルトさま

   悪魔があなたにつきまとって困るという知らせのゆえに
         神様をほめあげます。
   悪魔が私たちを狙撃しつづける限り、
         私たちが悪魔にとって見張るのに
         価値があると
   思っていることによるのかもしれませんからね。
   愛する奥様、お子さんに私の心からのあいさつを送ります。
   (Praise God for your report that the Devil is
          paying attention to you-so long as he keeps
          firing at us you may depend he thinks that we
          are worth watching. My hearty greetings to
          your wife and bairns.)

   「ハエの害 」は何もエジプトにとって
         特別なものではありませんでしたよ。
   あなたはあなたの心の窓を飛び越えて
         あなたの見方をもいらいらさせようとする
   忙しくしている普通の人々の形をとって(悪魔が)
   あらわれるのを見ることでしょうから。
   神様があなたを祝福してくださいますように。
         (The 'plague of flies' was not peculiar to
          Egypt-you will find them in the shape of busy
          little people that try to get over the windows of
          your soul and irritate your outlook. God bless
          you.)


         あなたの友 オズワルド・チェンバーズより

1917年11月18日、オズワルド逝去の知らせを受け取ったあと、ランベルトはさらに日記に次のように続けた。「私にとってもっともたいせつな事柄の一つはオズワルドをなくしたことである。私は彼が初めてウエスレー・ホールに来たときの過去の多くの光景、私たちにしてくれた聖書講読の光景を思い出す。でも今や彼はいない。しかし、彼が今もすぐれた方法で生きていることがわかる。何か意識できるつながりではないが、パウロ、ルター、スポルジョン、ムーデー、リーダー・ハリスや偉大な聖徒が生きているのと同じようにだ。彼らが生きているように、オズワルド・チェンバーズも主の御前で輝いているのだ」

( Oswald Chambers: Abandoned to God by David McCasland16〜17頁の私訳。なお、日記の訳は大いに怪しげである。念のため英文を併記する。「鉄は鉄によってとがれ、人はその友によってとがれる。」箴言27・17)  

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