三須臾(さんしゅゆ) 陽の光受け 星々に |
神さまはブリストルでの彼らの宣教の最初の年に、こうした交わりに109人の人々を加えられた。65人が新しく主を受け入れた人で、そのほかの多くの人は主に仕えるために戻ってきたかつて信仰から離れた人々であった。一日、60人から80人の間の人々がパンを受け取りにやって来たので、近所の人々が通りを乞食がうろうろして困ると文句を言うほどだった。ジョージはその人々にもはやあなたがたはパンを受け取れませんと話さなければならなかった。しかし彼の貧しい人を助けたいという願いは増すばかりであった。
1834年の2月の間に神さまはジョージが福音を本国や海外に広げるために設立される機構を造るように導かれ始めていた(※)。同じ目的で、すでに他の団体が働いていたが、ジョージは「世の人からの支援を求め」ない団体の設立への導きを感じていた。彼の目的は、神さまだけが後援者であるということだった。「もし神さまが味方でないなら、成功しない」ということである。その組織の一切を管理するにはどんな未信者にも関与させないし、「この組織を支えるために回心していない人々のお金や地位は主にとって不名誉だと信じていたので」そのような人々のお金は一切求めないということだった。
翌年の6月までに5日制の学校が439人の貧しい子どもたちを教えるために設立された。そして795冊の聖書と753冊の新約聖書が配布された。資金や祈りの支援はカナダや東インド諸島やヨーロッパの宣教師たちに当てられた。だが、ジョージ・ミュラーは神さまが彼を通してなされつつある全てのことを成し遂げてくださったと思うまでにはまだ遠かった。彼は孤児のための家を設立する夢を抱き始めた。
そして1835年の11月21日には導きを確信し、計画を建てはじめた。1836年の4月11日には最初の家が17人の子どもたちを世話するためにウイルソン通り6番地に開設された。すぐに30名の少女がミュラー夫妻と一緒に住んだ。程なく、ジョージは第二の家をウイルソン通り一番地に購入した。そこは間もなく30人の幼児で一杯になった。翌年、ウイルソン通り三番地に今度は三番目の家が入手されて、7歳以上のおよそ40人の子どもたちの家となった。
ウイルソン通りの孤児院の宣教は拡大し、移転の必要が避けられなくなった。神さまは一万人以上の孤児たちの生活を支えるまでその働きを大きくされるのだった。
神さまにより、ジョージ・ミュラーは地上の父親からお金を盗んでいたあの一人の少年から、今や天の父が与えてくださる富に信頼する一人の男へと変えられたのだった。
(『Release the Power of Prayer』16〜18頁より訳出。 ※この団体はA.T.ピアソンの『信仰に生き抜いた人』によると「本国および外国のための聖書知識協会」と称したようだ。この働きをまとめてピアソンは次のように述べている。同書98〜99頁より引用
こうして、神のみことばが同協会の顧問として迎えられた。また祈りの答えとして与えられる神の祝福に、すべてをかけて出発しようとしたのである。
これと同時に、協会の働きの対象も、次のように明らかにされた。
1 全面的に聖書的原則に従って、ただ信者だけによって教えられ、運営される昼間学校、日曜学校、あるいは成人学校を設立し、または援助する。
2 旧新約聖書、またはその分冊を、できるだけ広範囲に行き渡らせる。
3 主のどこのぶどう園で働いていても、聖書的原則に従って働き、ただ主だけに日ごとの食物をあおぐ宣教師を助け、その仕事に協力する。
このような仕事を、このようなスケールで、しかもこのような時に始めるには、全く2倍の信仰が必要であった。なぜなら、すでにこの時彼らが携わっていた仕事は山ほどあり、時間的にも体力的にも、それらにすべてを費やしているほどだったからである。また、ミュラーの機関誌の記録の中に、「もう手もとには一シリングしか残っていない」というような記事も見受けられる。もし彼らが、満ち満ちて尽きることを知らない宝を持たれる、裕福で物惜しみをされない主に目を向けることをしないで、自分たちのからのさいふを見つめていたとしたら、決してこのような大事業に踏み切ることはしなかったであろう。
・・・主はこう約束された。
わたし、主は、それを見守る者。
絶えずこれに水を注ぎ、
だれも、それをそこなわないように、
夜も昼もこれを見守っている。(イザヤ書27・3)
・・・生ける神を唯一の後援者とし、祈りだけを唯一の訴えの手段として、ついに大きく発展し、その全世界的な働きは、全く神が祝福し用いられるところとなっている。
なお、英文サイトとして以下のものがある。http://www.christbiblechurch.org/literature/george-muller-page.html )
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